少し間が空いてしまいましたが、この記事のつづきです。
板さんの絶妙な接客トークと気遣いに感心させられたのは。
「ひとつひとつのアクションに必ず一言添える」という姿勢です。
例えばオーダーした「刺し盛」も、メニューの写真や他のカウンターに出されているものは「丸皿」だったのに、こちらは「横長の角皿」だったのですが、
「3名様なので、(取りやすいように)角皿にしました。あ、中身は一緒ですからね~」と気遣いの一言。
「お好み」の前に「おまかせ」をオーダーした時も、「焼き物の穴子と御椀は最後に出しますねー」と説明を一言。
そのままお好みを注文し、最後に「そろそろ締めを」というと「え?」と一言。(失念していたらしい・笑)
母がその板さんを相当気に入ったらしく、「また〇〇さんに握ってもらおう」というと「木曜日以外は大体いますよー」と自分のシフトを教えて下さり、「じゃ、お散歩付きで」とジョークも一言。
息子が「はまちを」と言うと「今日ははまちは余り良くないから、お勧めしないなー」「かわりに〇〇がいいですよー」とちゃんとセールストークも一言。
お酒を頂きながら様子を眺めていると、オーダーしていない刺身を二切れほど目の前のお皿に出してくれました。この時は無言。
多分握りに使えないところの部分を出してくれたんだと思います。(ランチのばらちらしくらいには使えるのにな・・・)
周りのお客様に気を使い、ここは無言でさりげなく。こちらのお礼もさりげなく。
これは俗にいう「ささやき商法」ですね。
おつまみのメニューに「ばくだん」とあったので「コレなんですか?」と聞くと
「サーモンとマグロと・・・」と説明して下さったのですが、やっぱりカニみそが食べたかったので「じゃあ、カニみそ下さい」というと「聞くだけかーい! お客さん、お笑いのセンスあるねぇ」とツッコミも。
しばらくして緑色のオキュートみたいなものを出され、これまた無言でどうぞ、のサイン。
頂いてみると「お抹茶だ!」
ほろにが甘い、お抹茶ゼリー?寒天?羊羹??だったのですが。
美味しかったので素直に告げると、「自家製なんです。でも、出ないんですよー」と一言。
私「うーん、お上品な味だし。いけると思うんだけどなー。あとは提供の仕方かな?」
などと真面目な話も。
他にもたくさんのお話で盛り上がり、気が付くとすっかりピークを過ぎていました。
やはり長居をしてしまいました。
普段お客様のお見送りなどしないお店なのでしょうが、さりげなくカウンターの向こうから出て来てくださり、ご挨拶をすることができました。
なかなかのエンターティナーぶりに、しばらく感動冷めやらず。
母はすっかりリピートする気満々でした。
色々勉強になったお寿司屋さんでした。